環境と再生骨材
建設・土木分野における環境保全の必要性
今日、地球温暖化などの環境問題の深刻化に伴い、世界規模で地球環境保全の必要性が叫ばれています。このような動きは、大量の資源を消費し、大量の産業廃棄物が発生する建設・土木分野においても顕著になりつつあり、環境面において以下のような課題を抱えております。
【天然資源の枯渇化による建設材料の供給の不安定化】
建設・土木工事において使用する骨材などの建設材料は、ほとんどが天然資源です。しかしながら従来、これらの天然資源を大量使用してきたために、天然資源の枯渇化という問題に直面しています。天然資源が枯渇化することにより、骨材などの建設材料が安定供給できなくなり、社会インフラに大きな影響を与える恐れがあります。
【建設材料の生産に伴う山林の破壊】
前述のとおり、建設・土木工事において使用する建設材料のほとんどは天然資源です。そのため、建設材料の生産は、木の伐採や山の切り崩しなど、山林の破壊が伴い、地球の生態系にも大きな影響を与える恐れがあります。
【解体・建て替え工事に伴うがれき類の発生】
今後、高度経済成長期において大量に建設された建物・構築物の老朽化に伴い、解体・建て替え工事が増加することが予想されます。この解体・建て替え工事は、がれきなどのがれき類が大量に発生します。
ちなみに、平成18年度に全国から排出された産業廃棄物の約2割は、建設業者から排出されています(全体4億1850万t/年、うち建設業関連7753万t/年)。
これら大量のがれき類を効率良く、さらに環境に影響なく処理することが今後の大きな課題です。
【がれき類の最終処分地の逼迫と不法投棄】
前述のとおり、建設・土木分野において多くのがれき類が発生します。しかしながら、それを処理する最終処分地が近年、処分量の増加に伴い逼迫してきており、新たな最終処分地の設置も困難な状況です。
また、それに伴い不法投棄も多く見受けられ、大きな問題となっております。平成19年度に発生した不法投棄のうち、がれきが投棄された件数は、全体の5割にもなり、がれき類の最終処分地不足も不法投棄の原因の一つと言われております(全体:382件、がれきが投棄された件数:191件)。
以上のことから、建設・土木分野における環境保全は、早急に対応しなければなりません。
再生骨材の環境貢献性
再生骨材は、上記の建設・土木分野における環境影響に対応した、「環境に優しい建設材料」です。再生骨材には、以下のような環境貢献性があります。
【骨材のリサイクルによる天然資源の保全と山林の保護】
再生骨材は、骨材をリサイクルすることにより生産されるため、山林を全く傷つけずに生産することができます。
従って、天然資源の枯渇化、山林の破壊という2つの課題に対応した環境に優しい建設材料です。
【建設材料の循環化に貢献】
再生骨材は、建設材料をリサイクルし、再利用することにより、上記のとおり、天然資源の保全と山林の保護に貢献するとともに、建設資源の循環化に大きく貢献します。
したがって、今後、解体・建て替え工事の増加により発生するがれき類の再利用化を図ることができるとともに、最終処分量の減量化を図ることができ、今日直面している最終処分地の逼迫及びそれに伴い発生する不法投棄問題に対応することができます。
このように再生骨材は、現在直面している建設・土木分野における環境問題に対応し、建設材料を再資源化することにより、循環型社会の形成に大きく貢献する、「環境に優しい建設材料」です。