はじめに
いま、私たちを取り巻く環境は近代的なビルが建ち、道路や公園が整備された快適な都市空間の中で生活が営まれています。
しかし、一方では、そうした環境は、ビル解体や道路の建設によって建設系廃棄物の発生、さらには不法投棄を生み出し、資源の確保のための自然破壊による犠牲の上に成り立っているのが現状です。
私たちは、神奈川県の主要な都市の近郊にありながら、がれき類(コンクリート・アスファルト塊)を受け入れ、再生骨材として社会に還元することによって、地球にやさしい都市づくりに少しでもお役に立ちたいと考えています。
がれき類(コンクリート・アスファルト塊)について
全国で排出されている産業廃棄物は年間で約4億トンと言われています。その内、約2割強の約8500万トンが建設系廃棄物として排出されています。これは東京ドームの50個分に相当する膨大な量となっています。
一口に建設系廃棄物といっても、建設系廃棄物には木くず、金属くず、汚泥など様々なものがあります。その中でも全体の7割をしめているのが、がれき類(コンクリート・アスファルト塊)で実に約6500万トンもの量が一年間で排出され、今後も増加傾向にあります。
コンクリート塊、アスファルト塊に関しては、再資源としての付加価値が高いため、他の建設系廃棄物と比べ、再利用率が高く、コンクリート塊で96%、アスファルト塊で98%(平成12年度現在)、年間で再利用されています。
今後、がれき類(コンクリート・アスファルト塊)の再資源化率を維持するためには、発注者の解体に対するコスト意識や、再資源の積極的活用、社会認識の向上をより一層図ることが重要と考えます。
再生骨材について
コンクリート塊、アスファルト塊は中間処理施設等で、砕き、選別することによって、再生骨材に生まれ変わります。骨材と言う言葉は、社会資本の整備の骨格をなす材料という意味で、用いられています。 再生骨材は、主にRC40(40〜0)、RC30(30〜0)、RC10(10〜0)、RC割栗、RM40・RM30(粒度調整砕石)に大別され、道路路盤材、埋め戻し材、裏込め材等、各種土木資材として、幅広く活用されています。 また、アスファルト塊のみの再生骨材は、再生合材として道路や駐車場などの舗装に、コンクリート塊のみの再生骨材は、再生生コンの材料としてそれぞれ再資源化され、再生骨材の再資源化用途は、まだまだ多くの可能性を秘めています。